▼ 旅するジーンズと16歳の夏
 10/1(土)公開
(C) 2005 DUNGAREE PRODUCTIONS, LLC






切ない記憶とともに、誰もが立ち還る場所がある。

16歳の夏、4人の少女は、ひとりずつ別々の場所へと旅立った。幸せを呼ぶ一本のジーンズを友情の証とし、互いに送りあうことを約束して――。

【STORY】
その夏、わたしたちは生まれて初めて離れ離れになった――。

母親たちが知り合ったマタニティ教室。それが4人の絆の始まり。生まれる前から同じ場所で同じ時間を過ごし、生まれてからもずっと一緒に、同じ気持ちを分かち合ってきた4人。自由奔放なブリジット、内気なリーナ、皮肉屋のティビー、情熱的なカルメン。性格はまったくバラバラでも、お互いに誰よりも分かり合っている大切な存在。つらい時も4人でいたから乗り越えてくることができた。
カルメンの父親が家を出ていった時も、10歳以上も年の離れた弟の誕生にティビーが憤慨した時も、そして、ブリジットの母親が自ら命を絶った時も……。他人には心を閉ざしてしまうリーナも、彼女たちと一緒なら自分らしくいられる。 そんな4人が初めて別々に過ごすことになった16歳の夏。
リーナは祖父母の住むギリシャへ。カルメンは別れて暮らす父親のもとへ。ブリジットはメキシコでのサッカー・キャンプに参加。ただ一人、夏休みの計画がないティビーは、地元のスーパーでバイトをしながら、人生の惨めさを綴ったドキュメンタリー映画(ミジメンタリー)を製作することに。
それぞれの夏休みに向けて出発する前日、4人が古着屋で見つけた一本のジーンズ。それは、性格も違えば体型も違う四人全員にぴったり合う不思議なジーンズだった。このジーンズはきっと幸運をもたらしてくれるはず!――離れ離れの夏の間、彼女たちは4人で一本のジーンズを順番にはくことに決め、それぞれの夏へと旅立った。
ギリシャ・サントリーニ島から、ジーンズとともに届いたのは、ギリシャ語がうまく話せず、ますます内気になるリーナからのあまり芳しくない近況。ジーンズのせいで溺れかけ、通りかかった青年の船に助けられたものの、ひどく居心地の
悪い思いをしたリーナ――「ジーンズの魔法なんて幻想だったかもよ」。
地元に残ったティビーのもとへジーンズを届けたのは、近所に住む見知らぬ女の子。ただでさえ、スーパーの店長に文句を言われながら品出しをする惨めな日々に加え、いつの間にかドキュメンタリー映画の助手に収まってしまった、この小生意気な女の子が、ティビーの神経を逆なでする――「この子もジーンズと一緒に送っちゃいたい」。
カルメンへ送られたジーンズは、父親の新居へ転送された。父と二人で過ごす夏を、心の底から楽しみにしていたカルメンが知らされたのは、父の再婚。すでに新しい家で、新しい家族と暮らし始めていた父は、カルメンの期待を粉々に打ち砕いた――「ジーンズの効果は何もなかった。あんたには幸運をもたらすといいね」 メキシコでは、ブリジットがジーンズの到着を待ち受けていた。いつも自信に溢れ、自分の決めた道を突き進むブリジットは、サッカー・キャンプでもコーチとの恋を手に入れた――「幸せな出来事のはずなのに、むなしいのはなぜ?」。
そして、ジーンズは再びギリシャへ。旅するジーンズが見届けるのは、リーナに訪れる苦悩、ティビーが受け止めなければならない悲しみ、カルメンの怒り、そしてブリジットの心の闇……。彼女たちの夏はまだ始まったばかり――。